マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン (2014):映画短評
マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン (2014)仕事と家庭、芸術と商品の狭間の苦悩を見据えた力作
『ドライヴ』で脚光を浴びたレフンが次に手がけた『オンリー・ゴッド』は面白いと思えなかったが、このドキュメンタリーを見てその理由が少なからず理解できた。迷いが、そこにある。
公開日が決定しているので延期はご法度。撮影が始まっても映画の終わらせ方がわからないし、撮影も順調とは言えない。そんなストレスの苦しみをありのままにとらえている。
面白いのは、これが彼の妻によって撮られていること。カメラは製作の苦悩とともに、子煩悩なレフンの姿や夫婦喧嘩をも収めており、アーティストと家庭人、ひいては映画の芸術性と商業性をも見据える。パランスの難しさ、それはあらゆる大人が共感するところではないだろうか。
この短評にはネタバレを含んでいます