はじまりの街 (2016):映画短評
はじまりの街 (2016)聡明で理知的な美少年アンドレア・ピットリーノは要注目!
夫の暴力から逃れ、息子と共に別の街へ移り住んだ女性が、新たな人生を始めようと悪戦苦闘する。息子に不自由はさせたくないが、しかし現実は甘くない。仕事は見つからず敗北感で途方に暮れる毎日。そんな母親を思いやる息子も、しかし慣れない環境で孤独を募らせ、その不満と怒りの矛先を母親に向けてしまう。なんという切なさ。両者の痛みが胸に鋭く突き刺さる。
しかし、そんな母子を取り巻く人々との触れ合いが、やがて2人の生活に希望の光をもたらす。社会の厳しさと人間の暖かさを丁寧に描いた人情ドラマとして秀逸。息子役アンドレア・ピットリーノの、聡明で理知的な美少年ぶりも印象的だ。近い将来、必ずやスターになるはずだ。
この短評にはネタバレを含んでいます