パーフェクト・レボリューション (2017):映画短評
パーフェクト・レボリューション (2017)
ライター2人の平均評価: 4
もっとエロと笑いに振り切ってほしかった。
例のごとく、飄々と主人公を演じるリリー・フランキーに、風俗嬢あるあるを体現する清野菜名も健闘しているが、そんな2人を完全に喰ってしまっているのが小池栄子。覚醒した『接吻』から9年、さらにスゴいことになっている! それはさておき、題材が題材だけに、シリアスとコメディのさじ加減が難しいところだが、そこの罠にハマったか、監督がマジメすぎるのか、笑いとエロに関してはフッ切れてない。そのため、かなり強引なラストを含め、美談にしか見えず、これでは劇中で批判しているニュース番組とあまり変わらないようにも思える。とはいえ、意識している『最強のふたり』好きな人なら、まったく問題ない仕上がりだといえる。
誰だって愛し愛されたいし、セックスだってしたい
障害者の恋愛やセックスについてオープンに論議されることも増えてきた昨今、これはまさにタイムリーな作品だろう。しかもかなり型破り。なにしろ、性欲旺盛な身体障害者のエロおやじと、愛に飢えた人格障害者の風俗嬢によるラブストーリーなのだから。
2人の恋の行方はいろんな意味で前途多難(笑)。障害者を取り巻くシビアな問題や彼ら自身の心の闇をしっかりと見据えつつ、ある種のパンク的なエネルギーに溢れたポップなストーリーと演出が実に爽快だ。
この世に完璧な人間などいない。誰だって愛し愛されたいし、セックスだってしたい(ま、たまに例外もいるけど)。そう考えれば、健常者も障害者もなんら変わりはないのだ。