ロープ/戦場の生命線 (2015):映画短評
ロープ/戦場の生命線 (2015)恒常的な疲労感を"やれやれ"でかわして歩き続ける
複雑に絡み合った困難な状況の中、何度も襲ってくる徒労感を"やれやれ"と"トホホ"で受け流して、今していることを投げ出さずに続けていくこと。それを実践する人間たちを、暑く乾いた埃っぽい土地に描いていく。
1995年のバルカン半島、停戦合意直後の紛争地域。国際援助活動家たちが、井戸の死体を除去するためのロープを探すがそれが難しい。武装勢力だけではなく、国連の部隊すらその妨げになる。そんな場所にルー・リードの歌が流れて似合う。映画の原題は彼の代表曲の一つ「パーフェクト・デイ」だ。監督は脚本家出身、ドキュメンタリー監督経験もあり、細かな出来事の巧みな連鎖と、映像のリアルな質感に活かされている。
この短評にはネタバレを含んでいます