ウルフなシッシー (2017):映画短評
ウルフなシッシー (2017)こういう人がメジャーになったら面白いのになあ
おおっ、「書ける」人だ! と率直に驚いた大野大輔(1988年生まれ)監督・脚本・主演作。彼扮するスカトロAV監督と、オーディション落ち倒しの劇団女優(根矢涼香、素晴らしい!)――ほぼ終わってるようで、負の要素でぴったり惹き合う腐れ縁アラサーカップルの小競り合いが狭くて汚い同棲部屋へとなだれ込む怒涛の約80分。
微細に角度を変えて繰り出される、ああ言えばこう言うの応酬。「リアルな会話」を倍速で回転させ、倦怠から逆流していくどん詰まり日本のスクリューボール・コメディ。本気で磨けば高値で売れるかも、とか夢想してしまう泥まみれの原石だ。TAMA NEW WAVEの一等賞とベスト女優賞&男優賞、納得。
この短評にはネタバレを含んでいます