マイル22 (2018):映画短評
マイル22 (2018)ライター2人の平均評価: 3.5
フィクション&アクションでも活きたドキュメント調
P・バーグ監督と主演M・ウォールバーグの4度目の“バーグ”コンビ作は前3作とは異なるフィクションだが、これまでのドキュメントタッチは活きている。
諜報戦&実戦のタペストリーは小刻みなカット割りの効果によってスピード感を増し、情報量の多さはち密さを感じさせずにおかない。手持ちカメラ主体の点では『ボーン・スプレマシー』にも似た興奮を味わえる。
続編を想定していたこともあり、スパっと終わらない歯がゆさはあるが、ウォールバーグ対シラット・マスター、イコ・ウワイスの対決の構図にはグッとくるし期待も高まる。ドキュメントタッチだからこそのアクションのリアリティにも唸った。一刻も早い続編を!
進化するスパイ戦の緊張感がたまらない
マザーと呼ばれるリーダーが率いるCIA裏組織の戦いを描くスパイもので、P・バーグ監督らしい緻密な構成。なによりもハイテクを駆使した今どきのスパイ事情が如実にわかるのが面白く、J・マルコヴィッチ演じるマザーのオーバーウォッチぶりに「おお〜」となることしばしば。とはいえ、末端(?)のスパイがしのぎを削る現場は戦争状態なわけで、そこはM・ウォールバーグがきっちり演じている。ブラック・オプゆえに精神面に問題を抱えている設定は不要に思えたが、状況の深刻さアピールだろう。今やプーチンがトランプ大統領のハンドラーだなんて声も上がるアメリカだけど、現場レベルではやっぱ反ロシアなのだな〜と思わせた。