コンジアム (2018):映画短評
コンジアム (2018)ライター2人の平均評価: 3.5
君子危うきに近寄らず、と教えたかった。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』的な作品で、広告費がっぽりを目指したユーチューバーが主役という点が今どき。アクションカメラやドローンを使った配信映像などを交えた画面は、映えが重要な世代の心に響きそう。イェーイと曰く付きの廃墟病院に乗り込んだ若者の運命は推して知るべしで、彼らが味わう恐怖を横目に高みの見物を決め込める。とはいえ、怖がらせ方を熟知するチョン・ボムシク監督のジワジワと怖さを増す演出にはホラー好きも大満足のはず。いわゆる人気スターは出演していないけれど、等身大の若者感があるキャスティングがリアリティを醸し出す結果となった。終映後、「君子危うきに近寄らず」とつぶやいた。
予想以上に怖い韓国版『グレイヴ・エンカウンターズ』
コンジアムとは韓国に実在する、最強の心霊スポットとして有名な精神病院の廃墟。人気ウェブチャンネルの取材チームがそこへ足を踏み入れ、呪われた「402号室」の内部をライブ中継しようとしたところ、想像を絶する恐怖のどん底に突き落とされる。『ブレアウィッチ・プロジェクト』以来、もはや出尽くした感のある心霊モキュメンタリーの韓国版。ストーリー的は『グレイヴ・エンカウンターズ』と酷似している。しかし、俳優の装着する小型アクションカメラで撮影された映像の臨場感、湿度の高いアジア的な禍々しさを醸し出す恐怖演出は秀逸。無名の若手で固められた役者陣のリアルな芝居も素晴らしく、特に終盤の展開は予想以上に怖い。