月極オトコトモダチ (2018):映画短評
月極オトコトモダチ (2018)あえて問う。男女の親密な関係は恋愛感情なしに成立するか?
人類にとって永遠の謎であり、ロマンティック・コメディの定番たる命題への新たな問い。アラサー編集者の徳永えりと「職業・レンタル男友達」の橋本淳、そこに三角関係的に絡んでくる芦那すみれ(音楽担当のBOMIと同一人物)のアンサンブルが光る。この三人の関係の変容と併行してテーマ曲が出来上がっていく仕掛けだが、エンディングに流れる最終形は長谷川白紙のアヴァンギャルドかつポップなアレンジ。何より素晴らしいのはある種の幸福感にまで導いてくれる穐山茉由の才能だ。極めてリアルではあるけれど、恋愛感情に“表現者”としての懊悩までクロスさせた台詞の機微と、空を大きく捉えた画面の風通しの良さ。洗練された才能が現れた。
この短評にはネタバレを含んでいます