ばるぼら (2019):映画短評
ばるぼら (2019)ライター2人の平均評価: 4
稲垣吾郎と手塚作品との相性抜群!
オトナ向け手塚治虫原作の映画化だが、そこは手塚眞監督渾身の一作。同じ「ビッグコミック」連載ながら、ヤバい描写を避けた『MW』の惨状にはなっておらず、原作ファンもご安心あれ! もっと露骨なホラー描写に走ってほしかった感もあるが、クリストファー・ドイルが捉えるアヤしげな新宿の街並みに、橋本一子のガチすぎるジャズが醸し出すムーディーな雰囲気は、今の日本映画に観られないインパクト。スクリーンから色気が薫り立つファムファタール、いや“堕落天使”な二階堂ふみに対し、ハードボイルドな稲垣吾郎は、やはり手塚作品との相性抜群。七色いんこ、美倉洋介ときたら、次はブラック・ジャックしかない!
美学の映画化
手塚眞監督がアニメ版ブラックジャックに続いて、父親手塚治虫のコミックを映画化。
今回は『ばるぼら』監督自身の持つ耽美性、神秘性との相性がばっちりと会ったお題を選びました。
なんといっても稲垣吾郎と二階堂ふみというマンガ的な俳優を捕まえられたことはとても成功の大きく作用していると思います。
サングラス姿の稲垣吾郎はどう見てもロック・ホーム=間久部緑郎そのものです。
そのビジュアルだけでも一見の価値があります。