ブラ!ブラ!ブラ! 胸いっぱいの愛を (2018):映画短評
ブラ!ブラ!ブラ! 胸いっぱいの愛を (2018)なんだこりゃ!?の無国籍感がたまらない
線路上を生活空間に利用している住民を汽笛を鳴らして追い払いながら住宅街をスレスレに走る抜ける貨物列車。その先に広がるのは、壮大なアゼルバイジャンの草原だ。鉄好きならずとも実に魅力的なロケ地で、監督がこの地に惹かれた理由が良く分かる。ただ物語の厚みは無く、短編で十分。それでも、セリフを無くした事で、多国籍キャスト&スタッフの共演を可能にした企画自体は、ボーダレス時代の映画作りの可能性を感じさせてくれて面白い。ドイツ人監督のアゼルバイジャン・ロケ映画に、旧ユーゴスラビア出身俳優が主演し、脇を仏人ドニ・ラヴァンやスペイン女優バス・ヴェガが務めるとは。こんな発想の映画作り、日本で誕生できないものか。
この短評にはネタバレを含んでいます