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ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方 (2018):映画短評

ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方 (2018)

2020年3月14日公開 91分

ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方
(C) 2018 FarmLore Films, LLC

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.3

山縣みどり

これが本当の“サークル・オブ・ライフ”だ!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

なんて素敵な話なの!というのが素直な感想。思い立って農業を始めた都会暮らしのチェスター夫妻が8年がかりで楽園を作り上げる過程をコンパクトにまとめ、大切な部分を丁寧にと伝えている。夫ジョンが自然ドキュメンタリー番組のDPだっただけある。可能な限りの自然農法によって多種類の果実と家畜を育て、ハイエナをはじめとする外敵と戦う夫妻と仲間が、大地に生きとし生けるものの役割とそれぞれが構築する複雑な免疫システムに気づく姿は、『ライオン・キング』より説得力アリ! まさに“サークル・オブ・ライフ”。ただし冒頭が緊迫感あふれる山火事シーンなのがひっかかる。不幸な結果が頭の片隅にあるのよ。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

「世界の仕組み」の解読をめざす

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

連想したのは『ドラえもん のび太の創世日記』。カリフォルニア郊外で夫婦が自然と共生する農場を立ち上げた8年間。エコやSDGsといった範疇で扱われるドキュメンタリーだろうが、世界をミニチュアサイズでイチから作ってみる実践編のワクワクに満ちている。師となるファンキーな賢者の親父がヒント=金言を続々放つ。「シンプルな農法」「共存のダンス」「いずれ帳尻が合う」。リズム、波に乗ること。「観察」が最も重要なこと。

コヨーテ等の「外敵」も排除ではなく調和を模索する――この循環のメカニズムは政治の問題にも繋がる。詩情あるシーンの美しさ、撮影の卓越も特筆すべき。わかりやすいテレンス・マリック、みたいな趣も?

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

夢を見るだけでなく実行に移した人たちの感動体験

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

都会を離れて田舎で暮らせたらと空想をめぐらせる人は多くても、実際に行動する人はわずか。このカップルは、保護犬が吠えすぎてアパートから追い出されたのをきっかけに、農業の知識もないまま、L.A.郊外に土地を買い、真の意味で自然と共存できる理想郷を作ってしまった。まずはその勇気と行動力に感動。そして21世紀の大都会のそばでも、このような生き方を選択できるのだという事実に、感嘆させられる。自然の調和というものもあらためて考えさせられるし、たとえこのような環境に住んではいなくても、私たちはみんなこれを守るべく責任をもって生きていかなければいけないのだと感じる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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