人間の時間 (2018):映画短評
人間の時間 (2018)ライター2人の平均評価: 3.5
『パラサイト』~『ミッドサマー』に次ぐ衝撃!
諸事情から観たくても観れなかった、いわくつきのキム・ギドク監督作の舞台は、まさかのクルーズ船。老若男女が乗り込んだプチ『タイタニック』のような人間模様から一転、小国家が形成され、生き抜くためにさまざまな欲望が剥き出しになり、リミッター外れっぱなしの大暴走! チャン・グンソクと藤井美菜の役名がアダムとイヴであるように、そこで語られるのは、『春夏秋冬そして春』を超える人生哲学や生命サイクルだ。ギドク作品にしては分かりやすいが、すべての描写がド直球と、まったくもって容赦なし! ときに古臭く妙な演出に困惑するも、ここまで豪華キャストが織りなすブッ飛んだ劇薬映画はなかなかない。
キム・ギドクSFの極北
もともと、ファンタジックな要素を盛り込んだ作品が増えてきたキム・ギドクですが、ここまでSFに寄った作品はなかったでしょう。
漂流教室や火の鳥なんかを思わせる設定のデストピア譚で、見ているこちらもカオスの中に放り込まれんます。藤井美菜、チャン・グンソク、オダギリジョー、アン・ソンギという豪華キャストが揃いましたが、言葉はそれぞれの母国語を勝手に話し、それが通じているという設定は思い切ったなと。
徹底したバイオレンス描写があるので、ご注意を。