泣きたい私は猫をかぶる (2020):映画短評
泣きたい私は猫をかぶる (2020)ライター2人の平均評価: 3.5
猫が住む夏祭り系和風ファンタジー世界に和む
日々、いろんな悩みを押し隠して"猫をかぶって"生活している中学2年生の女子が、夏祭りの夜、"かぶると本当の猫になる"お面を手に入れる。彼女はそのまま猫になってしまうのか。もし猫にならないことを選ぶとしたら、それにはどんな理由があるのか。そんな物語が、主人公だけではなく、母親など周囲の人々の気持ちを含めて描かれていく。ヒロインの同性の幼なじみのキャラもいい。
異世界を描くビジュアルは、徹底的に和風。猫だけに見える道を通って行く、日常の隣にある猫たちの世界が、神社などの昔の日本建築のように"木"だけで構築され、手触りもほのかに暖かい。その世界では夜を照らす光も、提灯の明かりように柔らかい。
本当に被るとは!?
猫をかぶるとは言いますが、本当に被るとは!?
まず、このアイデアに笑います。
そこから意外な方向ドラマに移り変わっていくのはいい意味で裏切られます。
心理描写と変身願望の合わせ技はアニメならではの演出との相性の良さもあって楽しめました。
主人公たちは中学生ですが、実際のストーリーは大人にこそ響くもの。終盤に登場する大人たちのドラマも知りたいところです。
新型コロナウィルスの感染拡大の影響で公開までに紆余曲折があった中でNetflixでの配信。新たなスタイルになるのでしょうか?