まともじゃないのは君も一緒 (2020):映画短評
まともじゃないのは君も一緒 (2020)ライター3人の平均評価: 3.3
好感度の高さを逆手に取った小泉孝太郎にもニンマリ
ろくに人生経験もないくせに普通という言葉を濫用してマウントを取る知ったか女子高生が、そもそも普通という感覚がよく分からないコミュ障気味の進学塾講師を利用して、自分が片想いをする男性とそのフィアンセの仲を邪魔しようと画策する。果たして普通とは何なのか…?というテーマを十分に掘り下げているとは言えないものの、成田凌と清原果耶のスクリューボール・コメディ的なマシンガントークは秀逸で、軽妙洒脱かつリズミカルな脚本と演出もなかなかのもの。エリート御曹司で世間的な好感度の高い自らのイメージを逆手に取った小泉孝太郎のクズ男っぷりも面白い。これはキャスティングの妙ですな。
勢いしかない2人の絶妙な掛け合い
見た目はいいのに偏屈すぎる塾講師と、恋愛未経験な知ったかぶりな教え子が、ひたすら喋り倒す。これまでも往年のスクリューボール・コメディを狙ってはハズしてきた監督:前田弘二×脚本:高田亮コンビだが、ついに本領発揮! というか、まるで『赤ちゃん教育』のケーリー・グラント&キャサリン・ヘプバーンのような成田凌と清原果耶が放つ魅力が、軽快なリズム感を醸し出す快作となった。まさに、勢いしかない2人のクラシカルな雰囲気が持ち味のラブストーリーだけに、モノ足りなさがちょうどいい塩梅に。胡散臭いクズ男がハマる小泉孝太郎や、昼間っからバーに入り浸る川瀬陽太らの顔ぶれもあって、★おまけ。
普通じゃない清原果耶が魅力全開
とにかく主演の二人の全くかみ合ってない小気味よいセリフの応酬に魅了されます。
清原果耶は春からの朝ドラが控えているのでいますが、映画もラッシュですね。
相手役の成田凌とのやり取りもとても瑞々しく、心躍るものがあります。
成田凌はやはりこういうずれたキャラクターがはまりますね。
過去にも複数の作品で組んできた前田弘二監督&高田亮脚本ですが、今作がベストパフォーマンスかなと思います。54回“普通”という言葉出てくるとのことですが、一度として同じ意味で登場することはありません。普通って何?って思いながら楽しみましょう。