君は永遠にそいつらより若い (2020):映画短評
君は永遠にそいつらより若い (2020)ライター2人の平均評価: 4
ユルいだけじゃない大学生のリアル
バイトや就活、知人の死やトラウマとなってしまった過去などを通して、他人との関わり方や距離感などが描かれる、決してユルいだけじゃない大学生のリアルな日常。シリアスとユーモアが混在した原作エピソードの数々と些細な言葉が、確かな演出力により、グサグサ刺さってくる。体感時間はそれなりに長いものの、意味深なタイトルも含め、いろんな意味で先の読めない展開も良き。そして、『"隠れビッチ"やってました。』に続き、受け付けない人には確実に無理キャラを演じている佐久間由衣。今回もお人好しで不器用なヒロインという難役をモノにしており、ストローで鬼ころしを飲むカットなども印象的だ。
主演二人の頼もしい輝き
とにかく主演の佐久間由衣と奈緒がよい。二人の危うさと強さを感じさせる演技に惹かれ続けます。
モラトリアムの終わりを演じる佐久間由衣の力みのなさ、ある秘密を抱えて生きる奈緒の脆さを併せ持った逞しさ、どちらも今、この瞬間にだけ演じることが出来た役どころと言えるでしょう。
その絶妙な瞬間を切り取った吉野竜平監督による硬軟・緩急自在の演出は頼もしさを感じさせるほどです。今回でまだ長編3本目ですが、これらかもどんどん撮っていって欲しいですね。