クライマーズ (2019):映画短評
クライマーズ (2019)ライター2人の平均評価: 3.5
中国の国威がよくわかるアクション大作
チョモランマ登山を国家プロジェクトとして成功させた中国登山チームの実話だが、VFXを駆使したド派手なアクション映画。ウー・ジンが演じる隊長に率いられるメンバーは登山にはあまり役立ちそうもない訓練に耐え、登山中に遭遇する雪崩や滑落、剛風で命が脅かされそうな危機をカンフー的な力技で乗り越える。雪山でのワイヤー・アクションには撮影スタッフの苦労がしのばれる。氷点下の気温にもジッと耐えた撮影陣の精神力たるや! 国威掲揚の目的は果たされるでしょう。雪山でもキレッキレのアクション演技を披露するウー・ジンと相変わらず愛らしいチャン・ツイイー、友情出演のJ・チェンの中国での立ち位置もよくわかる。
サービス精神たっぷりな山岳映画
珍作『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』やソフトスルーに終わった『スノーベイビー』同様、中国のエベレスト初登頂60周年記念作。いわば、偉業を称えたプロパガンダ映画だが、無敵すぎるウー・ジンが主演、ツイ・ハークがプロデュースを務めることで、とにかくケレン味たっぷり。無駄に士気が高まる訓練シーンやら、隊員たちが「THEガンバルマン」風に雪崩に巻き込まれるパニックシーンやら、しっかりアクション・シークエンスとして見せるサービス精神はさすがだ。チャン・ツィイーは、相変わらず不幸を背負ったような表情でドラマパートを締め、ジャッキーも友情出演で出てくるわと、妙におトク感ある一本です。