大怪獣のあとしまつ (2022)：映画短評

東宝の『シン・ゴジラ』に対する、松竹・東映からの回答といえる“お仕事”特撮大作。「特務隊」のマシンやガジェットが似合う山田涼介と久しぶりの特撮出演な土屋太鳳が健闘するなか、三木聡監督らしい“言葉遊び”を環境大臣のふせえり、国防大臣の岩松了らの常連陣がカマす。怪獣に命名された「希望」などの皮肉が効いている前半の展開は悪くないが、中盤以降にお粗末すぎる人間ドラマが色濃くなり、笑えないキノコねたが連発。菊地凛子・染谷将太夫妻などの美味しいキャストも生かしきれず、三木作品としても『俺俺』以降の微妙な仕上がりに。結果『シン・ウルトラマン』への期待が加速することに！

日本では怪獣特撮映画が数多く作られてきましたが、”その後”を描くということは今までない視点でした。流石は「時効警察」シリーズの三木監督と言ったところでしょう。
しかし、変化球なのは設定までで、映画本編は本格怪獣特撮映画となっています。『シン・ゴジラ』以降、怪獣特撮映画のハードルは一気に上がった感がありますが、三木監督はこれに正面から挑んでいます。
キャストは隅々まで驚くほど豪華な面々をそろえていて、その顔触れを追っていくだけでも楽しいです。
5月の『シン・ウルトラマン』の前に思わぬ映画が現れました。