20歳のソウル (2022):映画短評
20歳のソウル (2022)![20歳のソウル](https://img.cinematoday.jp/a/T0026131/_size_640x/_v_1653630264/main.jpg)
ライター2人の平均評価: 3.5
神尾楓珠の「国宝級イケメン」に留まらない熱さと器用さ
市立船橋の応援曲として知られる、「市船soul」誕生秘話をめぐる実話を映画化。弱冠20歳で、この世を去った主人公の吹奏楽部としての活動を描く高校時代から、市船OBとして癌との闘病を描く大学時代へと繋がる2部構成。説明台詞も多く、ひと昔前のTVドラマのような演出も目立つが、ド直球な青春映画としては、ヘタな作家性を出すより正攻法といったところ。また、クライマックスのダメ押しもあって、佐藤浩市の総取り感も強いなか、トロンボーンを始めとする楽器やよさこいソーランの大旗振りにも挑んだ、神尾楓珠が健闘。「国宝級イケメン」に留まらない熱さと器用さもあり、主演映画が相次ぐ理由も十分頷ける。
抗いようがなく、沁みる。
実話で、難病もので、部活もので、音楽もので…。ちょっとベタ過ぎる作品ではありますが、しかししかしやっぱり心に沁みてしまいますよね。
神尾楓珠演じる主人公が必死に生きる姿は結末を知っていてなお、背中を押したくなりますし、彼を支える人々の姿には素直に思い入れが強くなってしまいます。母親の尾野真千子もいいですし、医師役の高橋克典の程よい距離感も好感が持て、恋人の福本莉子もまたチャーミングでした。そして何より、主人公の恩師を演じる佐藤浩市の熱さと頼もしさを兼ね合わせたキャラクターは流石の一言です。
このお題にこのキャスティング、ちょっとずるいですよ。