死霊館 悪魔のせいなら、無罪。 (2021):映画短評
死霊館 悪魔のせいなら、無罪。 (2021)ライター2人の平均評価: 3.5
今度のウォーレン夫妻はオカルト探偵コンビ!?
『死霊館』シリーズ3作目にして『死霊館』ユニバース8作目。今回はコネティカット州の田舎町で殺人事件が発生し、容疑者となった若者が悪魔に取り憑かれていると気付いたウォーレン夫妻が、裁判でそのことを立証すべく真相を究明する。悪魔憑きを理由に殺人事件の無罪を主張するという突拍子もない話だが、しかしこれが’81年に起きた実話だというのだから、まさしく事実は小説よりも奇なり。スピンオフを含めた過去作に比べると、家族愛や信仰心を全面に押し出した分だけ怖さは薄らいだものの、しかし謎解き推理×法廷ドラマ×オカルトという組み合わせは面白い。やはり悪魔よりも怖いのは人間なんですかね…?
超常現象研究家夫妻が心霊探偵へと進化!
『死霊館』シリーズは3作目だが、前2作のスタイルを壊しにかかる点に、まず驚く。
前2作は邦題どおりメインの舞台を幽霊屋敷に限定し、心霊研究家ウォーレン夫妻をそこに閉じ込めて解決に当たらせた。しかし今回の彼らは、謎を解くために“死霊館”を飛び出して方々を駆け回らねばならない。探偵のような彼らの奔走は、行く先々で直面する危機のスリルも含めて新味。
全米でシリーズ初のR指定を受けるほど恐怖描写は過激化。一方で、シリーズの核であるラブストーリーの要素はウォーレン夫妻の絆の深化はもちろん、容疑者とその恋人の関係にもおよぶ。監督は変わったが、シリーズ自体ににブレはない。巧い。