マヤの秘密 (2020):映画短評
マヤの秘密 (2020)正しいのは彼女か、彼か。観客を上手く悩ませ続ける
戦争が残した傷は、暗い過去を忘れて幸せな今を生きようと思っていても、そう簡単に消えるものではない。ヒッチコックふうのこのスリラーは、その事実に焦点を当てるもの。主人公マヤは、この男こそ戦時中に自分と妹を苦しめた奴だと信じてやまないが、彼は「別人だ」と否定。どちらが正しいのかと観る者をしばらく悩ませ続けるやり方は、なかなか上手い。ほかにも、近所の人に警察を呼ばれたりと、ハラハラする要素を散りばめ続ける。そして、ショッキングな結末。リアリティが100%あるかと聞かれれば微妙だが、ノオミ・ラパスをはじめとする役者の演技のおかげもあり、終始緊張感をもって引きつけ続ける。
この短評にはネタバレを含んでいます