ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ (2022):映画短評
ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ (2022)ライター3人の平均評価: 3
アクションも、ジム・キャリーの怪演もスケールアップ
ナックルズやテイルスら原作ゲームの人気キャラが新参入。クリーチャー対決となるだけに、アクションの点は明らかにスケールアップ。高速&縦横無尽のスペクタクルが繰り出され、目を奪われる。
ビジュアル的な賑やかさの一方で、前作ほどのドラマ性がないのは少々物足りない。前作でキャラ紹介は済んでいるぶん、結婚式のドタバタなどのギャグが増加。が、2時間以上の尺は冗長にも思える。
とはいえソニックの活躍は痛快だし、ナックルズの無双キャラも映画を面白くする。何より、ジム・キャリーのノリノリ悪役演技はますます快調。CGキャラと違和感なく並ぶ彼のスゴみもスケールアップの一要素だ。
前作の感傷は消えて、ひたすら明るく速く
前作では基本、痛快な世界観の中で「地球に一人ぼっち」のソニックの寂しさが、さりげなく切なさポイントでアクセントになっていたが、続編はそんな孤独感は過去のもの。徹底して明るく、ふざけたノリで突き進む。
ソニックの「青」に、ナックルズの「赤」&テイルスの「黄」が加わったことで、ひたすらカラフルな映像で圧倒する意味で、前作以上に「実写<アニメ」という印象強し。陸・海・空という背景のゴージャスさは、実写アクション大作の気分。
『フェリスはある朝突然に』『ホーム・アローン』『ゴーストバスターズ』『インディ・ジョーンズ』など80〜90年代ムービーへのオマージュも、無理なくスムーズに一体化していて楽しい。
ジム・キャリーが最新型にバージョンアップ
あらゆる方向にスケールアップ。ソニックとナックルズのバトル映像の派手さも、彼らが動き回る空間のサイズもアップ。秘宝が隠された巨大な立体迷路など、登場アイテムのサイズも巨大化。ソニックの親友の妻の姉、悪役の博士の手下など、サブキャラたちの個性を描くシーンも増えた。
そんな中でもスゴイとしか言えないのがジム・キャリー。彼だけが、人間なのにCGIキャラたちと同じ次元で彼らに対抗する位置づけなのだが、存在感がCGIキャラに負けてない。人間なのに"バージョンアップした"と思わせる。そんな彼が演じるマッドサイエンティストが、映画冒頭、誰もいないキノコの惑星で作っている装置の愛らしさも必見。