ふたつの部屋、ふたりの暮らし (2019):映画短評
ふたつの部屋、ふたりの暮らし (2019)高齢を迎えた同性カップルに立ちはだかる困難
同じアパートの向かい同士で暮らす初老の女性ニナとマドレーヌ。周囲からは仲の良い隣人同士と見られているが、実は長年に渡って人目を忍びながら愛し合ってきた恋人同士だ。ところが、ある日マドレーヌが脳梗塞で倒れ、身内ではないニナは面会すら難しくなる。愛する人の傍にいたい。ただそれだけなのに、事情を知らないマドレーヌの娘はニナの言動に不信感を募らせ、彼女を母親から遠ざけようとする。家族関係やカミングアウトなどの問題を絡めつつ、高齢を迎えた同性カップルに立ちはだかる大きな困難を、繊細かつ慈しみ深い眼差しで見つめた作品。なぜ同性婚が認められるべきなのかの答えも込められているように思う。
この短評にはネタバレを含んでいます