モエカレはオレンジ色 (2022):映画短評
モエカレはオレンジ色 (2022)ライター2人の平均評価: 3.5
SASUKE+ダンスマスター=消防士に説得力
環境も年齢もだいぶ違う恋愛劇は、相手の想いに気づかずもどかしいパターンも多いが、本作のヒロインは心に傷を抱え、転校先でも臆病のわりに恋愛だけにはグイグイ。そこが新鮮。
冒頭からエピソードを積み重ねるテンポも悪くなく、ヒロインの心の内を語るナレも続いたらウザかったが、早めに消えて好印象。
オレンジ着たら大抵はそれなりに見える消防士役だが、岩本照の「署にいそう」な佇まいはハイレベル。ロープ使っての壁面降下や筋トレシーンに、鍛え上げたシルエットが似合いすぎ、替えがきかないハマリ役では?
生見愛瑠の相手に思いをぶつける凛々しさも、高校生と消防士の恋に説得力を与え、こちらも成功。
不器用さが生む相乗効果
97分という上映時間が逆に、とても心地よいラブストーリー。ものすごい深みとか、忘れがたい感動を期待されると少し困りますが、それでもとても爽やかで夏に観るのに最適な一本です。
主演の岩本照と生見愛瑠に関しては、演技経験が豊富とは言い難いのですが、演じるキャラクターが不器用な生き方をしている消防士とぼっちのJKということで、いい意味で演者とキャラクターが重なる部分があって巧い具合に相乗効果を生んでいます。
アイドル映画、青春映画としては十分合格点で、見終わった時、ちょっと気持ちの足取りが軽くなる作品でした。