ADVERTISEMENT

クルーガー 絶滅危惧種 (2021):映画短評

クルーガー 絶滅危惧種 (2021)

2022年4月8日公開 102分

クルーガー 絶滅危惧種
(C) 2021 PHOENIX WALLACE LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3

なかざわひでゆき

アフリカの自然を舐め切った能天気ファミリーの地獄巡り

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 野生動物写真家だったM・J・バセット監督が、前作『ローグ』に続いてアフリカの大自然を舞台に撮影したサバイバル・アクション。勝手に自分たちでサファリツアーに出かけたアメリカ人一家が、次々と危険な猛獣に襲われた挙句、武装した密猟者グループに捕らえられてしまう。男らしさを誇示するため最悪の選択を繰り返す父親を筆頭に、自然を舐め切った能天気な金持ち家族が経験する地獄巡り。それは環境を破壊して動物を殺す人間の傲慢さへの皮肉であり、我々の誰もがその責任の一端を担っていることの戒めだ。基本は自然保護の啓蒙映画だが、あくまでB級娯楽映画に仕上げたところは好感が持てる。ただ、CGの動物は改善の余地かなりアリ。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

古い価値観は食い殺される!?

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 主人公がイライラしている姿から、何やら不穏なムードが漂う。なぜ一家の大黒柱である彼を神経質な、ムカつく男に設定したのか? そこに注目しながら見ると納得の構造。

 シティスリッカーを主人公にしたことで、まず野生の世界でのサバイバルがスリリングになる。ヒョウの不意の襲撃場面のスプラッター性などジャンル映画に目配せしつつ、スリラーを構築させた点が巧い。

 開始早々の無茶ぶりやラッキー過ぎる展開など唐突な描写もあるし、環境保護の訴えも強引な気がしないでもない。が、それを差し引いても高濃度の緊迫感は買い。ジェンダー的メッセージを込めたような結末にも考えさせられた。

この短評にはネタバレを含んでいます
ADVERTISEMENT

人気の記事

ADVERTISEMENT

話題の動画

ADVERTISEMENT

最新の映画短評

ADVERTISEMENT