の方へ、流れる (2022):映画短評
の方へ、流れる (2022)男女のスリリングな駆け引きに引き込まれる
前作『ふたつのシルエット』では再会した恋人同士の愛の変化を描いた竹馬靖具監督が、今度は初めて出会った男女の恋の行方を、まさに“流れるように”描く。ヒロインが働く下町の雑貨店で始まった本音かウソか分からない2人は会話は、意外な方に……。唐田えりか演じるミステリアスなヒロインと遠藤雄弥演じる恋人を待つ男のほぼ二人芝居であり、いつの間にスリリングな駆け引きに引き込まれていく。2人が歩き続ける東京の何気ない風景も主役の一人であり、2人を結びつけるきっかけとなるのが、プルーストの「失われた時を求めて」というのも肝に。作品の温度感も含め、フランス映画を観終えたような感覚も悪くない。
この短評にはネタバレを含んでいます