THE WITCH/魔女 -増殖- (2022):映画短評
THE WITCH/魔女 -増殖- (2022)ライター3人の平均評価: 3.7
前作以上の“ジラし美学”が炸裂
製作頓挫からの逆転劇を果たした“韓国版『ハンナ』”の続編だが、パク・フンジョン監督の“ジラし美学”が前作以上に炸裂。単調なリズムが流れるなか、タイトル通り不死身キャラが増殖し、大風呂敷を広げまくる。それらが一堂に介しての血まみれ高速バトルロイヤルは目を見張る仕上がりだが、前作同様2時間超えの尺の中、どれだけ「魔女プロジェクト」「魔女ユニバース」を楽しめることができるか?で、評価は変わるはず。かなり殺伐とした展開の中、前作のオーディション番組に通じるスーパーでの大食いエピソードは微笑ましく、そんな少女(役名)に抜擢されたシン・シアは“第二のキム・ダミ”になりえる逸材だといえる。
魔女ユニバースは、さらに拡張する!
前作『The Witch/魔女』の原題には“Part1”と打たれていたが、そういう意味では出るべくして出た続編。
前作はドラマから壮絶バトルへと発展したが、本作では人間ドラマとバトルを並行展開させる。ヒロインをかくまう姉弟のやさしさや、弟とのほのかなロマンスが人間味として生き、またヒロインの大食いという設定が笑いを誘う。
とはいえ、サイキック対決は前作以上に壮絶で、血糊たっぷりのバイオレンスも健在。前作とのリンクを本格的に示した結末にふれれば、製作されるであろうPart3が楽しみになってくるに違いない。
ハイパーなアクションと韓国バイオレンスの融合を堪能せよ
人体改造されたティーンエイジ殺人マシーンたちの血で血を洗う戦いを描いたバイオレンスアクション『The Witch/魔女』の続編。今回は物語の規模も殺人マシーンの数もグッとアップ。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で世界的な人気者になったパク・ウンビンが重要な役で出演しているのもスケールアップを感じさせる。前作のキム・ダミ(『梨泰院クラス』のチョ・イソ役)同様、すさまじい倍率のオーディションを勝ち抜いたシン・シアは大変魅力的。ワイヤーとCGをバリバリ使ったマーベル映画ばりのハイパーなアクションと刃物でサクサク刺して血がビュービュー噴き出る韓国バイオレンスの融合を堪能しよう。事前に前作は観ておくこと。