レンタル×ファミリー (2023):映画短評
レンタル×ファミリー (2023)なぜ彼らは家族や友人をレンタルするのか?
実在する人間レンタル会社社長の著書を原作に、子供に父親がいないのは可哀そう、結婚式に両親が不在なのは恥ずかしい、独身だけれど子供や孫が欲しいなど、様々な理由から仮初の家族や友達をレンタルする人々の悲喜交々を描く。人間の生き方も家族の在り方も多様化したはずの現代。それでもなお、普通が当たり前であり良いこととされ、そこからドロップアウトすると後ろめたさや居心地の悪さを覚え、つい世間体や人目を気にしてしまう日本人の深層心理が浮かび上がる。全3部構成のストーリーは非常に興味深く、中でもモキュメンタリー形式の第2部は抜群に出来が良くて面白い。むしろ、全編モキュメンタリーにしても良かったのではないか。
この短評にはネタバレを含んでいます