ジュリア(s) (2022):映画短評
ジュリア(s) (2022)ライター2人の平均評価: 4
女性の4つの人生を描くパラレルワールドものの傑作
人生にはいろいろな分岐点がある。ああすれば良かったと思うこともあれば、偶然の出来事が人生を左右することも。この作品はピアニスト志望だった女性のさまざまに分岐した4つの人生をパラレルワールドとして描く。理想に見える人生もあれば、後悔に満ちた人生もある。だけど、人間万事塞翁が馬、禍福は糾える縄の如し。何かを得れば、何かを失うのだ。だけど、どんな人生だって、人との縁や、一瞬の行動や、胸震わせるエモーションを大切にすれば、そんなに悪い結末にはならないことをこの作品は教えてくれる。17歳から老境まで演じた主演のルー・ドゥ・ラージュと、オリヴィエ・トレネ監督の鮮やかな手つきに感嘆。音楽も素晴らしい。
これは嬉しい出会いの一本
これは見ておいて本当に良かった、拾い物感(と言っては映画に対して失礼かもしれませんが)たっぷりの秀作。かなり巧みで念入りに作られた脚本が映画的演出によって活き活きと躍動しています。オリビエ・トレイナー監督はこれが長編デビュー作ということですが、恐れ入りました。複雑な主人公を演じた主演のルー・ドゥ・ラージュの好演も忘れてはいけないでしょう。ゴールデンウイーク中に何かを発掘したい方にはお薦めの一本です。