ドミノ (2023):映画短評
ドミノ (2023)ライター3人の平均評価: 3
凝縮され過ぎもまた、ロドリゲスのB級感覚か!?
幻想と現実が入り混じる『インセプション』的な世界観に、同じB・アフレック主演の『ベイチェック/消された記憶』の“脳いじり”要素を溶け込ませ、とんでもないスピードで物語を紡ぐ。
説明的なセリフが多く、絵的なスペクタクルも詰め込まれ、それでいて90分の尺なのだから物語のテンポの速さは想像できるだろう。次から次へと意外な事実が発覚し、先読みを裏切られる、それこそが最大の妙味。
後半に“いくらなんでも……”と思える展開はあるが、R・ロドリゲス監督らしいB級テイストと思えば、すんなり飲み込める。W・フィクトナーの正しいヴィラン活用を久しぶりに見た気がする。
90分、猛スピードでどんどん話が展開
ここのところ、Disney+の「スター・ウォーズ」シリーズや、もともとジェームズ・キャメロンのプロジェクトだった「アリータ:バトル・エンジェル」などの監督を手がけてきたロバート・ロドリゲスが原点に立ち戻った、オリジナルのインディーズアクション映画。B級映画っぽいところも彼らしいと言える。90分、猛スピードで、思わぬ方向に次々と話が展開し、最後には驚きの結末が。ツッコミどころはあるだろうが、それに気づく暇もないほど。この話が現実的かどうかなどと考えず、ジェットコースターに乗るような気持ちで見るのが正しい。このような映画でベン・アフレックを見られるのもまた新鮮で楽しい。
映像だからこその仕掛けが見もの
ロバート・ロドリゲス監督自身が発案し、脚本も自身で手がけた本作は、かなり大胆な設定による仕掛けのあるストーリーを楽しむ映画。予告編で語られる"脳をハッキングする"という設定は、小説ではなく、視覚や聴覚に向けて表現する"映像"だからこその、さまざまな仕掛けが可能。設定は映画の冒頭近くで示されるので、観客はその設定を踏まえたうえで、仕掛けを予測しながら、その後の展開を見ていくことになるが、それでもやっぱり騙される。設定が大胆なので、それを凌駕するビジュアル面の衝撃が欲しくなるが、そこは監督も意識。昨今はドラマ「マンダロリアン」でも活躍中のロドリゲス監督が、刺激的なシーンの数々を見せてくれる。