ADVERTISEMENT
どなたでもご覧になれます

クレオの夏休み (2023):映画短評

クレオの夏休み (2023)

2024年7月12日公開 83分

クレオの夏休み
(C) 2023 LILIES FILMS

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

なかざわひでゆき

幼い少女の成長譚に感動し、カーボベルデの美しい風景に癒される

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 母親を亡くした6歳のフランス人少女クレオは、優しい乳母グロリアが大好き。しかし外国人労働者のグロリアは祖国カーボベルデへ戻ってしまい、寂しさを募らせたクレオは夏休みをグロリアのもとで過ごすことになる。青い海と豊かな緑に囲まれた西アフリカの島国カーボベルデの美しい大自然を背景に、瑞々しいタッチで描かれる幼い少女のひと夏の想い出。本当の親子のような深い絆で結ばれたグロリアとの幸福な時間を過ごすクレオだが、しかし同時にグロリアには血の繋がった実の子供や孫がおり、自分だけが独り占めすることなど出来ないという現実も付きつけられる。そのささやかな心の成長がなんとも愛おしい。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

6歳の女の子が見る夢のようなものがまばゆい

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 6歳の女の子の胸に生じる、彼女を育ててくれた乳母への無償の愛。それはあまりに純粋で、他のものが混じらないので、自分勝手なものでもある。そんな愛が、その女の子が乳母を追って行くアフリカの島国の明るい陽光の中で、彼女の視点から描かれる。

 女の子が思い描く、記憶のような夢のようなものが、アニメーションで描かれて、幼い頃に目に映っていた世界を思い出させる。そこにあるものには定まった輪郭がなく、ただ色彩は明るく鮮やかで、現実とは別の法則に従って、ゆっくりと、時には激しく動く。

 監督は、本作が初の長編映画となるジョージア系フランス人、マリー・アマシュケリ。映画は彼女自身の乳母に捧げられている。

この短評にはネタバレを含んでいます
ADVERTISEMENT

人気の記事

ADVERTISEMENT

話題の動画

ADVERTISEMENT

最新の映画短評

ADVERTISEMENT