越境者たち (2022):映画短評
越境者たち (2022)助けの要る人を助ける、スリルもドラマも濃密な90分
世界中で論争の的になっている不法移民を題材に取り、彼らの必死の思いと、それを迎える国の側の対立する姿勢をサスペンスとして描写。
越境を図るアフガニスタン人女性と、それを偶然助けたフランス人男性が、不法入国者を標的にする国粋主義者たちと攻防を繰り広げる。極寒の雪山という過酷な環境、限られた隠れ場所、ドローンを駆使した追跡など、スリルを盛り立てる要素に事欠かない。
主人公ふたりの孤独な人間像の描写も効き、胸に迫る描写も。社会派、スリラー、ドラマが90分の中に無駄なく凝縮された逸品。D・メノーシェが『理想郷』に続いて大熱演を見せる。必見。
この短評にはネタバレを含んでいます