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越境者たち (2022):映画短評

越境者たち (2022)

2024年7月19日公開 93分

越境者たち
(C) LES FILMS VELVET - BAXTER FILMS - BNP PARIBAS PICTURES - 2022
相馬 学

助けの要る人を助ける、スリルもドラマも濃密な90分

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 世界中で論争の的になっている不法移民を題材に取り、彼らの必死の思いと、それを迎える国の側の対立する姿勢をサスペンスとして描写。

 越境を図るアフガニスタン人女性と、それを偶然助けたフランス人男性が、不法入国者を標的にする国粋主義者たちと攻防を繰り広げる。極寒の雪山という過酷な環境、限られた隠れ場所、ドローンを駆使した追跡など、スリルを盛り立てる要素に事欠かない。

 主人公ふたりの孤独な人間像の描写も効き、胸に迫る描写も。社会派、スリラー、ドラマが90分の中に無駄なく凝縮された逸品。D・メノーシェが『理想郷』に続いて大熱演を見せる。必見。

この短評にはネタバレを含んでいます
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