プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち (2023):映画短評
プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち (2023)ライター2人の平均評価: 3.5
「前作」の反省から、ドラマパートにも力入れました!
『テリファー』同様、2作目にして謎の覚醒! 脚本に『サマー・オブ・84』のマット・レスリーが加わったことで、クリストファー・ロビンの少年時代のトラウマが軸となるドラマが展開。より過激になったゴア描写や『キングダム エクソダス〈脱出〉』のようなメタ描写に加え、年間ワーストな「前作」で謎すぎた部分も交通整理。クライマックスのパーティ大虐殺まで、飽きずに観せてくれる。ただ、製作費が10倍になっても誤魔化したいのか、暗闇のシーンは相変わらず観難いし、オウルやティガーが参戦しようが、『パペット・マスター』のような既視感が強い。もはや「くまのプーさん」じゃなくてもいい状況になっている。
前作とは気合いが違う!
前作はシンプルな残酷後日談だったが、今回は本格的に童話を解体。ドラマの再構築に並々ならぬ気合いを感じる。
クリストファー・ロビンの子どもの頃のトラウマにスポットを当て、ミステリーを敷き詰めているので前作のような弛緩はない。製作費が10倍になったおかげがスプラッター描写も凄まじく、ジェイソン+レザーフェイスのようなプーの大暴れは堂々たるホラーだ。
前作には登場しなかったティガーの、やたらと“ビ●チ”を連呼するえげつなさも味。聞けば、スタッフは童話のホラー化を推し進め、ユニバース化を目論んでいるそう。本作の本気を目の当たりにすると、ホラー好きとしては今後の展開も楽しみになってくる。