イマジナリー (2024):映画短評
イマジナリー (2024)ライター2人の平均評価: 3.5
“空想の友だち”が、“敵”になる!?
“空想の友だち”をホラーキャラクターに仕立てた、ユニークなアイデアは買い。ブラムハウス作品らしい斬新さが脈づく。
ドラマはミステリー仕立てで、ふたりの娘の継母となった女性の、幼少期の思い出せない秘密が事件の引き金となる。この“引き”が巧い。主人公が幼少期に描いた絵や父親の言葉の謎がミステリーを加速させる。
家族愛の要素を含め構造的には『ポルターガイスト』を彷彿させ、作り手のホラー愛が感じられるつくり。鮮血は控えめなので、グロが苦手な方にもオススメできる。近所に住んでいそうな子役ふたりの、血の通った存在感も妙味。
誰もが思い当たる節があるから恐ろしい
子供時代の想像上の友だち=イマジナリー・フレンドは、映画『ブルー きみは大丈夫』では純粋な心の持ち主に描かれていたが、本作はそのダーク版。創造主が大人になって彼らを忘れても、彼らは存在していて、忘れられたことを恨んで創造主に復讐しようとする。創造主は、忘れてしまったという負い目があるから、そこが弱点になる。
この設定の方が定番で、誰もが思い当たる節があるから恐ろしいのだが、本作は、主人公がそもそも彼らを生み出した"想像力"を使って戦うところが新規軸。彼女が空想世界ではなく、現実世界で友を得て対抗するという展開も説得力あり。それにしても、可愛いぬいぐるみ姿の邪悪な存在はそれだけで怖い。