ゴンドラ (2023):映画短評
ゴンドラ (2023)単純な動き、単純な気持ち
まったくセリフはなく、まぶしい光と笑い声と音楽がたっぷりある。ロープウェイのゴンドラ2台、一方が山を登るとき、もう一方は山を下り、その途中で1回だけすれ違う。それぞれのゴンドラの乗務員の女性2人が、互いに惹かれ合い、すれ違う短い時間にその好意を示し合う。水鉄砲を掛け合ったり、音楽を聴かせたり、その表現がどんどんエスカレートしていくのが楽しい。
監督は『ツバル』のファイト・ヘルマー。登り降りという単純な動きをする乗り物、好きという単純で純粋な気持ち、その周囲に広がる大自然。映し出されるものの色彩はすべて明るく、テンポはゆったり。そこにある空のように晴れやかな気持ちになっていく。
この短評にはネタバレを含んでいます