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ゴンドラ (2023):映画短評

ゴンドラ (2023)

2024年11月1日公開 85分

ゴンドラ
(C) VEIT HELMER-FILMPRODUKTION,BERLIN AND NATURA FILM,TBILISI
平沢 薫

単純な動き、単純な気持ち

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 まったくセリフはなく、まぶしい光と笑い声と音楽がたっぷりある。ロープウェイのゴンドラ2台、一方が山を登るとき、もう一方は山を下り、その途中で1回だけすれ違う。それぞれのゴンドラの乗務員の女性2人が、互いに惹かれ合い、すれ違う短い時間にその好意を示し合う。水鉄砲を掛け合ったり、音楽を聴かせたり、その表現がどんどんエスカレートしていくのが楽しい。

 監督は『ツバル』のファイト・ヘルマー。登り降りという単純な動きをする乗り物、好きという単純で純粋な気持ち、その周囲に広がる大自然。映し出されるものの色彩はすべて明るく、テンポはゆったり。そこにある空のように晴れやかな気持ちになっていく。

この短評にはネタバレを含んでいます
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