嗤う蟲 (2024):映画短評
嗤う蟲 (2024)『愛がなんだ』のカップルが、村の掟に翻弄される
閉鎖的な村社会における集団心理の恐ろしさを描くなか、事件に巻き込まれる若夫婦を演じたのが『愛がなんだ』で葉子と仲原を演じた深川麻衣と若葉竜也。受け芝居で堕ちていく若葉に対し、学生時代からイラストが得意で、乃木坂46在籍時に「聖母」と称されていた深川麻衣が、強い母親になっていくイラストレーターを演じる面白さが肝となる。ただ、村民に松浦祐也や片岡礼子がいることで、どうしても「ガンニバル」の不穏さやスケール感と比べてしまうし、期待していた自治会長役の田口トモロヲの怪演も許容範囲内。そういう意味では「田舎ホラー」ではなく、城定秀夫監督作としても及第点レベルのサスペンスといえる。
この短評にはネタバレを含んでいます