ブルースの魂 (1973):映画短評
ブルースの魂 (1973)こんな映画があったのか
1973年作品で製作はフランス。ギリシャ出身のロバート・マンスーリス監督(1929年生~2022年没)がブルース探究の旅として米南部ミシシッピ・デルタに出向き、伝説的なブルースマン達の歌唱や演奏を採取。並行してNYハーレムで暮らす貧しい若い夫婦の日常の物語を描いた。ドキュメンタリーとフィクションの挟み撃ちで“ブルースの魂”を立体的に浮かび上がらせる試みだ。
ドラマパートは『ビール・ストリートの恋人たち』等に補助線を引ける。当時の「いま」における荒んだ社会環境と呼応するナマの音楽。とりわけ後半に登場する真打ち――「顔で弾く」ギタープレイの極みを披露するB.B. キングのパフォーマンスは圧巻だ。
この短評にはネタバレを含んでいます