#真相をお話しします (2025):映画短評
#真相をお話しします (2025)
ライター2人の平均評価: 3
ヒット要素満載なのに、止まらないモヤモヤ
匿名性がカギとなるSNSの配信番組を舞台に、オムニバス構成で語られる「ほん怖」な暴露トークの数々。分かりやすい伏線からの急展開。そして、『カイジ』のように人生逆転ゲームに懸ける菊池風磨の負け犬キャラに、『キャラクター』のFukaseばりなミセス・大森元貴の怪演。そんな映画が苦手な若い世代にも飽きさせないヒット要素のゴッタ煮を、職人監督・豊島圭介が調理する。その手腕は確かに認めるが、時折織り込まれる過去エピソードに登場するツールなど、詰めの甘さが露呈し、豊島監督作『ヒーローマニア-生活-』のようなモヤモヤが止まらない。それが最後の最後で爆発する、まさに「問題作」だ。
仕掛の中にあるモノ
#真相をお話ししますという動画サイトではスピーカーと呼ばれる告発者が投げ銭目当てに知られざる真実を暴露する、その暴露合戦の裏にはある思惑が仕掛けられていた…。というのがこの映画の表面上の部分。これ以上はネタバレ事項になるために言及するのが難しい。一見すると”仕掛け勝負”な映画に思えるが、意外な展開から思わぬメッセージをこちらに投げかけきて、見ている側の人間も映画内に巻き込んでくる。W主演の菊池風磨はいわば狂言回し的な立場を好演、もう一方の大森元貴は役者としてのキャリアがまだないところがミステリアスな役どころに巧く作用している。