マチルダ・ザ・ミュージカル (2022):映画短評
マチルダ・ザ・ミュージカル (2022)ライター2人の平均評価: 4
エネルギッシュな子どもたちの反抗と革命ミュージカル
虐げられた子どもたちによる反抗と革命の歌声が響く。世界各国で上演されているロアルド・ダール原作のミュージカルを映像化。子ども嫌いの圧政者に対して、けっして負けない少女マチルダの叫びは可愛らしいだけじゃなくて熱い。「人生は不公平なの。笑顔で耐えてちゃダメなの。我慢をしてたらいつまでも変わらない!」。歌もダンスシーンも豪華でパワフルでエネルギッシュ。子ども嫌いの大人がニュースになる昨今、単なるおとぎ話とは思えない部分も。特殊メイクで巨大女に扮したエマ・トンプソンによる子どもの虐待シーンはパンチが効いているので甘口ミュージカルを期待している人は注意。
エネルギーとウィットに満ちた楽しいミュージカル
子供も大人も(おそらく大人のほうがもっと?)楽しめるミュージカル。ロアルド・ダールは、厳しい寄宿学校で体罰を受けた自身の子供時代を思い出して原作を書いたとのこと。頭が良く、反抗心のあるマチルダは彼のアルターエゴで、だからこそ共感できるのだ。子供たちによる歌とダンスのシーンはエネルギーにあふれていて最高に楽しい。特殊メイクで一見したところでは彼女だとわからない悪役のエマ・トンプソンも、ウィットに満ちていてさすが。この大役に抜擢されたアリーシャ・ウィアーは、今作で初めて映画の主演に挑戦。撮影時11歳だったというこのチャーミングで才能豊かな彼女が、今後どう活躍していくのか注目したい。