鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 (2023):映画短評
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 (2023)大傑作!おじさんバディーの伝奇ホラーアクション
これは大傑作。昭和31年の人里離れた村にある旧家で、跡目をめぐる連続猟奇殺人事件が発生。そこに足を踏み入れた血液銀行の水木と幽霊族の男(鬼太郎の父親)がおじさんバディーとなり、事件の真相、旧家の忌むべき因習、隠された怪物の秘密、日本軍を支えた陰謀と野心まで暴いていく。『犬神家の一族』でありつつ、水木しげるの『総員玉砕せよ!』を包含する日本の戦中戦後史を踏まえた上で、れっきとした伝奇ホラーアクションをやっているところが素晴らしい。日本人が大好きなモチーフ「桜」の使い方も見事だった。TVアニメ『墓場鬼太郎』(08年)と『ゲゲゲの鬼太郎』(第6期・18年)のそれぞれ第1話だけは見ておこう。
この短評にはネタバレを含んでいます