もしも徳川家康が総理大臣になったら (2024):映画短評
もしも徳川家康が総理大臣になったら (2024)ライター2人の平均評価: 3.5
内閣が期待できないなら、誰に期待すべきか?
AIによって甦った歴史上の人物が日本の閣僚になるという設定は『翔んで埼玉』の武内監督らしく奇想天外。織田信長にふんしたGACKTのフィット感が、まず嬉しい。
パンデミック下で国民ひとりに50万円を10日間で給付し、内閣支持率が85パーセントに達するという、今の日本では起こりえない事態で笑わせる。野村萬斎ら偉人にふんした豪華キャストの共演も楽しい
後半では社会風刺からダイレクトなメッセージへと転化。長セリフにより映画のテンポが損われるのが少々残念だが、選挙民意識が高いとは言えない日本人には刺さる、鋭い言葉が多々アリ。
前半と後半で全然違う映画に!
『テルマエ・ロマエ』、『翔んで埼玉』と無茶苦茶な設定を力業と笑いで押し切った武内監督らしい一作だと思ったのですが、前半と後半で全然違う映画に仕上がっていて驚きました。前半は偉人のいわゆるパブリックイメージを誇張したらこうなるという”監督らしい笑い”のパートでしたが、後半は一転して社会派テイストに。実際にフランス、イギリス、都知事選、米大統領選といった選挙戦をリアルタイムで見ている我々に対してかなり角度の鋭い言葉が続きます。これまでの武内監督のキャリアという最大の貯金を活かして結構攻めています。