ゼンブ・オブ・トーキョー (2024):映画短評
ゼンブ・オブ・トーキョー (2024)ライター2人の平均評価: 3
いい意味で、日向坂四期生のショーケース映画
「2024年の東京がどこまで魅力的に撮られているか?」と言われれば、かなり微妙。とはいえ、空回りキャラの班長を演じる正源司陽子に、アイドルオーディション会場に向かう渡辺莉奈を始め、「日向坂で会いましょう」に匹敵するぐらいメンバーの個性を引き出しており、「役名=本名でも良くないか?」と思えるほど「日向坂46」四期生のショーケース映画に仕上がっている。八嶋智人、真飛聖といった大人キャラの強引な登場シーンや上映時間87分といったプログラムピクチャー感も絶妙で、“おひさま”新規にも優しい一本。「なぜ、これをデビュー時のAKB48でやらなかったのか?」という疑問も残る。
ストレートなアイドル映画
最近はアイドルをメインキャストに据えていながら、いわゆる”アイドル映画的なスタイル”を避けて通っている映画が多いと感じています。そんな中で本作はストレートな青春アイドル映画となっていて、逆に新鮮さを感じるほどでした。監督に熊切和嘉監督というのもあっと驚くチョイスですが、意外なほどの手際の良さで、この路線ももっとあっても良いのではないかと思いました。一応物語の主人公は決まっていますが、基本的に日向坂46四期生の面々がほぼ平等に描かれているのもお見事でした。それで90分を切る上映時間なのも好印象です。