クラブゼロ (2023):映画短評
クラブゼロ (2023)若者はこうして洗脳されるのか…をスタイリッシュに
妙におしゃれな制服の高校生たち。新任教師が彼らに教えるのは「少食のススメ」で、滑り出しは爽やかな青春映画として語られる健康志向作…という印象。観ていくうちに、だんだん異常な段階へ突入していくのだが、描き方が整然とスタイリッシュなうえに、食事療法が効果を発揮したりと、つねに奇妙な感覚に襲われる。観ているこちらも静かに洗脳される一作。
ミア・ワシコウスカの“無色透明感”が教師役にぴったり。自分の指導にまったく疑問をもたず、生徒との関係もドロリと化すこの役は、彼女以外ならキワモノっぽくなったかと。
分断された考え、SNSで飛び交う陰謀論と正論など社会の「今」を重ねられるが、そこまで説教くさくはない。
この短評にはネタバレを含んでいます