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アンデッド/愛しき者の不在 (2024):映画短評

アンデッド/愛しき者の不在 (2024)

2025年1月17日公開 98分

アンデッド/愛しき者の不在
(C) 2024 Einar Film, Film i Vast, Zentropa Sweden, Filmiki Athens, E.R.T. S.A.

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3

猿渡 由紀

地に足がついて共感できるホラー

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ジャンル的にはホラー、ゾンビものに入るが、怖さが売りではない。大切な人が亡くなったことをどう受け止めるのか。そしてもし、その人が生き返ってきたとしたら。そんなリアルな人間の心を探索するこの映画は、とても地に足がついていて、共感できる。今作で監督デビューを果たすテア・ヴィステンダールは、沈黙や「間」を取ることを恐れず、ゆっくりとしたペースで物語を展開。派手なことをやらずして、不穏、不安、緊張をしっかり高めていくのもうまい。今後が楽しみな女流監督。せりふの少ない中、今やハリウッドでも大注目のレナーテ・レインスヴェをはじめとするアンサンブルキャストは、リアルな演技を見せる。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

生きているもの、生きているとはいえないもの

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 監督は異なるが、原作・共同脚本は『ぼくのエリ 200歳の少女』『ボーダー 二つの世界』のヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト。この2作同様、本作も"境界線"がモチーフで、人間と人間ではないものを隔てている曖昧な境界線が、さらにぼやけていく。しかも今回は、登場人物たちがそれぞれの立場で、境界線をどこに引いたらいいのかを思い惑う。生きているものと、生きているとはいえないものは、どこが違うのか。

 そんな彼らの意識をそのまま反映して、スクリーンに映し出されるものには、見えない部分が多い。影のようなものと、そのように見えるがそうではないかもしれないものに惑わされて、映像に見入ってしまう。

この短評にはネタバレを含んでいます
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