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散り椿 (2018):映画短評

散り椿 (2018)

2018年9月28日公開

散り椿
(C) 2018「散り椿」製作委員会

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

清水 節

岡田准一の斬新な殺陣は、武の精神性を刷新した驚きと感動を伴う

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 キャメラマン出身ならではの美しい画に定評のあった木村大作監督が、小泉堯史の脚本を得て、愛のすれ違いと正義の在り処をめぐる物語の芯が強化され、作品に根が張ったような安定感が生まれた。そして何より、岡田准一が自ら考案もしたという殺陣が斬新極まりない。『るろ剣』以降アクションの激烈さは進化したが、本作の切れ味は異なる。とりわけ西島秀俊との一戦が凄まじい。危うい間合いまで詰め寄り、大振りせず素早い太刀捌きで、次第に膝をつくほど低く沈む。鬼気迫る真剣勝負のリアリティ。それは『ボーン・アイデンティティ』シリーズが格闘を革新したのにも似て、黒澤映画の武の精神性を現代的に刷新した驚きと感動が伴っている。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

時代劇の真骨頂に、殺陣師・岡田准一の才能に、酔う。

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

黒澤(明)組の撮影助手出身の木村大作と、助監督出身の小泉堯史がタッグを組み、日本の美しさにこだわった全編オールロケと、とにかく贅沢な時代劇。日本人が忘れかけていた佇まいと生き様を描き、『用心棒』『椿三十郎』を意識した鮮血の美学もあるなど、時代劇の真骨頂を堪能できるだろう。そして、何はなくとも、驚異の身体能力と背中で語る名優、岡田准一の存在感。彼が殺陣師として演出した、西島秀俊相手に、腰を深く落とし、間合いを詰めた対峙シーンは、激しく美しい。派手さはなくとも、登場人物たちのせつない恋や、会社組織に置き換えられるお家騒動などのストーリーも、若い世代にも届くはずだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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