ペット2 (2019):映画短評
ペット2 (2019)ライター3人の平均評価: 3.7
1より断然イイ!
単純な着想から物語にし、予想通りのドタバタ劇で押し切った前作。
ヒットが背中を押したのか、同じ製作陣とは思えぬ濃密な内容と大胆な飛躍に驚き。
とりわけ冒頭。
1から2へと至る飼い主の人生を省略する思い切りの良さは『カールじいさんの空飛ぶ家』を彷彿。
舞台もN.Y.から広がり、作品にダイナミックさが生まれた。
マックスの行動範囲を広げる布石となるのが、旅行先で出会う農場犬ルースターとの出会い。
マックスに外で生きるルールと術、犬としての誇りと勇気を与える。
これは流行の”ペット見守りカメラ”でも窺い知ることのできない彼らだけの掟と友情。
改めて世界は我々だけのものではないことを教えてくれるのだ。
エキセントリックな動物たちのスラップスティックな笑いが痛快
飼い主たちの知らぬ間に繰り広げられるペットたちだけの世界を描いた動物版『トイ・ストーリー』の第2弾。今回は、飼い主に生まれた赤ん坊の安全を心配するあまり育児ノイローゼになったテリア犬マックスの物語を軸に、3つのストーリーラインが同時進行で描かれていく。これがお互いに相乗効果を生むこともなく、むしろ物語全体が散漫な印象になってしまったことは否めないだろう。とはいえ、スーパーヒーロー気取りのウサギ・スノーボールなど、エキセントリックな動物キャラたちの生み出すスラップスティックな笑いは絶好調。小さなお子さんでも十分に楽しめる、愉快で痛快でキュートな作品に仕上がっている。
日本語吹替の伊藤沙莉と中尾隆聖の掛け合いがスゴい!
飼い主に子供が生まれ、『ボス・ベイビー』でも描かれた“赤ちゃんあるある”から、主人公のマックスたちは『トイ・ストーリー4』同様、バケーションへ。前作同様、展開はスピーディーだが、“男塾”に通うマックスや、悪役のサーカス団団長と仲間のあまりにお粗末過ぎる顛末など、ピクサーに比べてイルミネーション作品の脚本の弱さが露骨に出てしまった感アリ。そんななか、『クレイジー・グッド』のハスキー姐さん、ティファニー・ハディッシュがアテたシーズー犬の日本語吹替に伊藤沙莉を抜擢した先見の明がスゴい。前作より扱いがデカくなったスノーボール役の中尾隆聖との掛け合いは、かなり面白いことになっている!