略歴: 創業時からの編集長です。というかシネマトゥデイを立ち上げました。
近況: ゴールデングローブ賞作品賞ドラマ部門にノミネートされた「メディア王~華麗なる一族」と「一流シェフのファミリーレストラン」面白いのでぜひ!
2階建ての風呂なしアパートに住み、トイレ清掃の仕事に従事する独身の中年男性……そんな彼の毎日は完璧だ。
彼のアパートの窓から見える木々は毎日表情を変え、ポケットカメラで撮る写真はフィルムでプリントされ、どれ一つとして同じ画はない。カセットテープで繰り返し聞く同じ曲も同じ音にはならない。ヴィム・ベンダース監督が人生哲学を語るかのような映像は、美しく微妙な変化を見せていく。
なぜこの清掃員は毎日こんなに幸せそうなんだろう。なぜこの清掃員の所作はこんなにも美しいのだろう。日本人が忘れつつある「侘び寂び」をベンダースがこんなに愛おしい形で表現してくれたことに感謝したい。
ノーラン監督の十八番であるタイムサスペンスの最高峰と言っていい作品。
最近はタイムリープ映画が増えて、時間旅行の表現方法や理屈もだいたい定番化してきていたが、天才ノーランはナナメ上というよりも全く別次元のアプローチをしている。
理屈を考えようとすると映画に集中できなくなるので、映像の斬新さを体験するつもりで観るのがおすすめ。音楽と映像のシンクロはまさにアート。そしてあまりの緊迫感に映画終了後は、さわやかな疲労とカロリー消費を実感する。
エモーショナルな部分が究極の家族愛を表現した『インターステラー』のようなカタルシスを感じるまではいかなかったので星一つマイナスするが満点でもいい映画。
MCUファンにはうれしい『アベンジャーズ/エンドゲーム』から続く後日談。センチに描かれるかと思いきやユーモアたっぷりにアベンジャーズ・ロスを埋めてくれる。
N.Y.がテリトリーのスパイダーマンがベネチア、ベルリン、ロンドンなど、ヨーロッパをスイングする姿は映画ならではの醍醐味で美しく、そして実際に歴史的建造物を破壊したのか心配になるほどのリアルな画でダイナミックに見せる。
自らのアイデンティティーを探すピュアな高校生ピーター・パーカーが隣の隣人だけでなく世界の人々を救うヒーローに成長する物語の流れはごく自然で、前作から彼の成長を丁寧に描いてきたジョン・ワッツ監督の手腕に拍手。
「スター・ウォーズ」シリーズをリアルタイムで観続けて来られたことの幸せがわきあがってくる1本。ハン・ソロの始まりの物語が丁寧に描かれ、こんなに長い間ハン・ソロを知っていたのに、こんなことも知らなかったんだ! と目からウロコな場面にたびたび遭遇する。チューバッカとの出会い、ミレニアム・ファルコン号との出会い、そしてハン・ソロの名前の由来まで、人間ドラマの名手ロン・ハワード監督だけにそれぞれに説得力のあるドラマがあり構成は超一流。若きハン・ソロ役のオールデン・エアエンライクはハリソン・フォード演じるハン・ソロと銃の構え方までそっくりなオーバラップ度100%で完成度の高さは文句なし。
「感覚で観る」というジャンルに分類される映画がある。本作はそのジャンルで最高レベル。
映像の中で起きている出来事を、効果音、映像、音楽、と映画で出来る表現手段のすべてを駆使して観客に伝えようとするキュアロンの演出は、観客に、広大な宇宙空間で取り残される人間の感情の機微を知らぬ間に共有させる。
マジックや催眠術に近いこのテクニックは、『トゥモロー・ワールド』でキュアロンが見せた長回しに見せる演出でも知らぬうちに観客の心拍数を上げていたはずだ。
エッセンスとして加えられている人間ドラマは、客観的に考えると薄っぺらいのだが、このマジックにかかっているうちは強烈に感情に訴えてくるだろう。
青山剛昌の漫画を原作にしたアニメシリーズで、長野県の雪山をめぐる事件を描いた劇場版シリーズ第28弾。江戸川コナンと長野県警の隻眼の警部・大和敢助、毛利小五郎らが事件に挑む。
シモン・ストーレンハーグの小説を原作に描くSFロードムービー。人間とロボットが共存する1990年代を舞台に、弟を捜す旅に出る少女の冒険を映し出す。
中国の古典小説「封神演義」を原作に描くアクションファンタジー3部作の第2章。殷の時代の中国を舞台に、大国である殷と、彼らに反旗を翻した西岐との戦いを映し出す。
風俗店に勤める女性と認知症の祖母の交流を描くヒューマンドラマ。1週間祖母の世話を母親から頼まれた女性が、認知症の祖母の介護をする中で互いに心を通わせていく。監督などを手掛けるのは岡崎育之介。
一通のラブレターを巡る夫婦の実話をベースにした人間ドラマ。読み書きができないまま年齢を重ねた夫が、長年自分を支えてくれた妻に感謝を伝えるラブレターを書こうとする。
安斎かりんのコミックを原作に実写化したラブコメディー。学校で一番顔が良い先輩の窮地を救うため、彼のSNS運営を任された女子生徒を描く。監督を務めるのは『ライアー×ライアー』などの耶雲哉治。
カナダのカルガリー郊外を舞台に、思春期の少年少女を描いた人間ドラマ。親友同士の少年二人の日常がある出来事をきっかけに変化していく一方で、彼らと同じ高校に通う少女が行方不明になる。
1960年代から1990年代にかけて活躍した写真家・深瀬昌久の波乱に満ちた生涯をドラマ「SHOGUN 将軍」などの浅野忠信が演じるラブストーリー。
未解決の一家連続殺人事件を捜査するFBI捜査官の姿を描くホラー。ある連続殺人事件を追う新人捜査官が、全ての事件に関係する謎の人物と向き合うことになる。