『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』で一番親近感を感じるキャラクターは、なんといっても半神半獣のフォーン、タムナスさん。魔女に脅され、良心と葛藤(かっとう)し続ける姿はとても人間的(人間ではないけど)。このタムナスさんを演じているジェームズ・マカヴォイという俳優さんはどんな人なのでしょう。コメントをまとめてみました。
■上半身裸の知らない人についていってはいけない?
フォーンは上半身が裸の生き物。小さな女の子の前で上半身裸というのは、気まずくなかったかの問いに、「裸じゃないんだ。ものすごい量の糊と毛がついてるんだよ」とジェームズは答えている。『ナルニア国物語』では、ジョージー・ヘンリー演じるルーシーが、出会ったばかりのタムナスさんについて行ってしまい、子供の身の安全を心配する声もある。「小さな女の子は、上半身裸の知らない男の人の家についていってはいけないんじゃないの?」とインタビューで聞かれたジョージーは「人じゃないもの。フォーンよ」といい、「ルーシーはタムナスさんをとても信頼しているの。だからお茶をしにいったの」と答えている。
また、ジェームズ・マカヴォイは、ルーシーとタムナスさんの友情について「タムナスは150歳、ルーシーは8歳だけど、2人はとても似ていて、本質的な部分でつながりを感じたんだ。だから出会ってすぐに友達になれた。そういう友情もあるということを信じられない人にはこの映画を見て欲しくない」とジェームズはいう。ルーシーを演じたジョージーも、「タムナスさんは、長い間会わなかった親友のような存在。だから彼を信用しているの」と言っている。
■シャツを着ないのが人間らしさ
なぜタムナスさんは戴冠式でシャツを着なかったのか。ジェームズは「フォーンはシャツって感じじゃないよ」と語る。「上着を着ないのがフォーンらしいんだよ。そもそも、フォーンは酒の神バッカスの従者だったんだ。本でもそう表現されている。だから自由奔放で、酔っ払い。あけっぴろげなのがフォーンらしさだと思ったんだ」と映画の中のタムナスの描かれ方に大満足の様子だ。
■人間でないものを演じる自由さ
「人間じゃない者を演じるというのはとても興味深いものなんだ。型にはまらない何かをできる自由さがあるからね。C.S.ルイスはタムナスをとても人間的に描いていたけれど、誰も見たことのない生き物だから不思議な動きをしたりしても大丈夫だったのが楽しかったよ」とジェームズ。一方で、自分の格好に悩まされたこともあったようだ。「ああいう格好をしていると、何でこんなことをしてるんだ?これが俺の職業か?と突然思うこともあったよ。そうなると笑って、開き直るしかないんだよね」と俳優のジレンマを語った。
Jon
Furniss/WireImage.com / MediaVast Japan
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