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ドニー・ダーコ (2001):映画短評

ドニー・ダーコ (2001)

8月31日公開 113分

ドニー・ダーコ
平沢 薫

ここでもウサギが穴へと誘う

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 主人公ドニーの前に出現するのがウサギなのは、これもまた一種の「不思議の国のアリス」だから。ウサギは穴へと導き、ドニーは鏡を通して見つめ、洪水も起こる。ただし、彼が彷徨うのはアリスが巡った言語遊戯の森ではなく、15歳の少年が抱く/恐怖/疑惑/憤怒/欲望/の迷路。そして、これらの感情は15歳固有のものではなく、その時期に敏感に感じられた後に慣れはするが、消え去るものではないことに気づかされる。細かな伏線による作劇術も見どころ。15歳の不安定で過敏な心理に80年代のUKポップがよく似合い、後の「13の理由」「ノット・オーケー」等の思春期ドラマでの同種の楽曲の多用には、本作の影響もありそうだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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