ロボコン (2003):映画短評
ロボコン (2003)15年後のダー子がここにいる!
お口ポカーンなファーストカットに、軽トラの荷台でいきなり「夢前案内人」を歌うマイペースさ。そんな赤点ばっかの劣等生キャラという、コメディエンヌっぷりを発揮し、15年後のダー子の片鱗をのぞかせる長澤まさみら、主演4人の姿は今となってはお宝モノ。入口こそ“ロボットコンテスト版『ウォーターボーイズ』”だが、感情の機微を丁寧に捉えており、驚くほど淡々とした展開と高まる劇伴をあえて付けず、実況メインの大会シーンは、まるでドキュメンタリーを見ているようだ。そんな4人の低かった体温が次第に熱を帯びていくリアルな青春は、最新作『のぼる小寺さん』でも描かれる古厩智之監督の真骨頂といえるだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます